睡眠時無呼吸症候群は2つの事故から認知される

今では睡眠時無呼吸症候群(SAS)といえば一般の方でもある程度知られていますが、これが認知されるきっかけとなったのが2つの事故でした。

一つは2002年に起きた交通事故で、当初は居眠り運転による事故とされていましたが、裁判の結果は運転者がSASで突然の睡眠に襲われ事故を起こしたとして無罪となったのです。

もう一つは翌年に起こった新幹線の居眠り走行で大事故にはならなかったものの緊急停止をしてしまったのですが、この運転士もSASと判明しマスコミをにぎわせました。これらの報道から単なる居眠りとされてきたことが、実は病に冒されている場合があると認識されるようになったのです。

誰にでもある睡眠時無呼吸状態

睡眠時に無呼吸になることは誰にでもあることなのです。この状態は睡眠時に数秒から100秒近く呼吸がなくなることで、一晩に30回以上起こればSASと呼ばれます。多い患者は100回以上起こっていることも珍しくはありません。

この状態では無呼吸が長く続けば中途覚醒し、その数が多ければ多いほど睡眠不足となってしまいます。この症状の特徴は自覚症状が全くないということです。皆さんのなかにも遊びや仕事で仲間と同部屋になった時、乗り物で移動の時などで相手のいびきが突然止まった経験をした方が多いのではないでしょうか。

つまり本人に自覚がなく家族も気が付かなければ判断できないのです。本人が分かる症状としては昼間の眠気や熟睡感がないなどですが、これは今の日本では当たり前のことで、昼過ぎや帰宅時の電車などでは男女を問わず眠っている人が多いのが実情です。

早めの受診が肝心

この病気の特徴の一つに激しいいびきがあります。これも本人には気付かないことですが、家族などが気付いたら例えいびきが止まることがなくても受診を勧めて下さい。無呼吸でなくても激しいいびきは健康に異常がある場合が多いのです。

一人住まいの方は昼間の突然の眠気に注意しましょう。この症状で出る眠気は突発的なものが多く自分の意識に関係がなく襲ってきます。また睡眠時間を充分にとっていても眠気があるようであれば1度受診したほうが安全といえます。

SASの危険性

この病気は冒頭にお話したように日中の眠気が特徴ですから回りからは夜更かしや怠けと見られることが多く社会的な信用も失うことも多いのです。運転士など直接人の安全に関わる方は注意を払うのは当然ですし、採用側もSASのチェックを必ずして欲しいものです。

この病気の危険性は大きな事故に繋がりやすいことだけではありません。更に大きなことは睡眠中の中途覚醒は身体にも影響を及ぼすということです。特に循環器系の病気に発展する場合が多く不整脈が頻繁に起こり、ひどくなると心房細動や心不全の可能性も出てきます。

SASの治療法

この病気の原因となっているものがあればそれを治療することが優先されます(扁桃腺・アデノイド・肥満など)。あとは直接的な薬物療法となり、プロゲストロンやアセタゾールアミドなどですが、個人での治療は無理ですから、睡眠ポリグラフ検査が行なえるような専門医のいる病院を選ぶことが大事でしょう。

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