「寝る子は育つ」は科学的に正しい

睡眠は人間にとって心身の疲労回復のために必須のものですが、体内活動が全て停止するものではありません。
最近は睡眠に対する研究が進み睡眠状態のときに体内ではどのような変化が起きるのかもある程度分かってきました。

その一つにホルモンの分泌量の変化があります。
睡眠中には一定のホルモンの分泌が活発になることで疲労回復や身体の成長が促されることが分かったのです。
また睡眠・覚醒リズムにも大きな役割を果たしていることも分かってきました。

成長ホルモンの分泌が多くなる時

健康な人間の睡眠は、入眠するとまもなく深い眠り(ノンレム睡眠)に入ります。
この時に成長ホルモンの分泌量は急激に上がり、1日の分泌量の中で最高潮に達します。

成長ホルモンは筋肉や骨格の成長を促すものです。
このため身体の成長に欠かせないもので、「寝る子は育つ」とは現在の科学から見ても正しい諺といえるでしょう。

また成長ホルモンには成長促進作用の他にたんぱく質、脂質、核酸などの代謝促進の効果や恒常性の維持にも作用するので、身体の疲労回復にも役立つと考えられています。

副腎皮質ホルモンの分泌

成長ホルモンの分泌と呼応する形で副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌が行なわれます。

神経伝達物質でもあるコルチゾールは、ストレスを感じると分泌が増える興奮物質としても知られています。
覚醒作用が強く睡眠を阻害する恐れもあるため、通常は入眠と共に分泌量が減少します。

また血糖値を上げる働きもありますが、成長ホルモンにもこの働きがあるために分泌量を減少させることで、血糖値の異常な増加を防ぐことにもなっているのです。

またコルチゾールは成長ホルモンの分泌がおさまると緩やかな上昇カーブをとりやがて安定した分泌となります。

睡眠中は当然食物をとりませんから血糖値は低下しますが、コルチゾールにより睡眠中の血糖値の異常低下を防いでいるのです。

覚醒前に増加する2つのホルモン

朝の覚醒前は人間の体温が最も下がる時間帯です。
この時間帯は、覚醒後の活動に備える時間帯でもあります。

覚醒前のレム睡眠の時(体温が低くなる時間帯)に成長ホルモンとコルチゾールは再び分泌量が多くなり、それにともなって血糖値も上昇します。

血糖値が上昇すると成長ホルモンの分泌はおさまり、コルチゾールの分泌量も緩やか下降線をたどります。この微妙なリズムが合わないと目覚めた時に低血糖となってしまい爽やかな朝が迎えられません。

ホルモンバランスによる生体リズムの維持

このように人間の睡眠は単に休息を取っているわけではなく、絶妙なホルモン分泌量のバランスで身体が維持されています。

人間の成長や疲労回復にはこのバランスは崩せません。
特に子供の頃の成長ホルモン異常は重大な障害を起こす可能性がありますから充分な注意が必要です。

睡眠時間に起きる体内の変化は健康に不可欠のものです。
人間が持つこうした生理的な機能は生体リズムにとっても重要なものだということが分かると思います。

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