飲酒と喫煙が睡眠に及ぼす悪影響

睡眠不足と聞くと、十分な睡眠時間が確保できないと陥るものだと思えます。しかし、睡眠時間を確保できていても、睡眠不足に陥ります。

私達は、日中には活動をして、体に疲労が溜まります。溜まった疲労は、睡眠をとることによって回復されます。睡眠時間が少なければ、疲労回復をする時間も短いので、体には疲労が溜まり、体調を崩しやすくなります。

では、睡眠時間が確保できていても睡眠不足に陥るのはなぜでしょうか?それは、睡眠の質による問題です。睡眠時間を十分に確保していても、夜中に何度も目が覚めてしまったり、浅い眠りの場合は、熟睡できていないので疲労回復の効果も薄くなります。

しっかりと疲労回復をするには、睡眠時間だけでなく、睡眠の質も大切なのです。仕事でストレスと疲れを溜めこんで帰宅すると、飲酒や喫煙によってストレスを和らげてリラックスする方もいらっしゃると思います。

飲酒や喫煙は、一時的なリラックスにはなりますが、熟睡を妨げる要因でもあります。そこで、今回は、飲酒と喫煙が快眠に及ぼす影響について特集していきたいと思います!

睡眠のためにもストレス発散は大切

ストレスは、精神的にも肉体的にも良くないと言われています。過度のストレスを溜めこむと、それが原因となってうつ病や自律神経失調症、ストレス性の胃炎や喘息を引き起こすこともあります。

もちろん、ストレスは快眠にも大きく関わっています。ストレスが溜まり過ぎると、睡眠障害を引き起こすこともあります。体の健康を守るためには、睡眠は欠かせないものですから、ストレス発散させることやリラックスをすることが大切です。

皆さんは、どのようにストレス発散をしていますか?成人すると、法律で飲酒・喫煙が認められるようになります。仕事で溜まったストレスを、気の合う仲間と楽しくお酒を飲んで発散したり、イライラを喫煙で鎮める方もいらっしゃるでしょう。

喫煙者の方はタバコを吸うと心が落ち着くとよく言われますし、飲酒はストレス発散だけでなく、仲間とのコミュニケーションにもなりますから、ストレス発散の方法として全くダメというわけではありません。

飲酒や喫煙は、確かに人によってはストレス発散ができてリラックスできる方法かもしれませんが、熟睡を妨害する効果もあるのです。では、飲酒や喫煙は、睡眠にどのような影響を及ぼすのでしょうか?ここからは、それぞれが睡眠に及ぼす影響について見ていきましょう。

喫煙が睡眠に及ぼす影響

喫煙は、動脈硬化、脳卒中、肺がん、肺気腫などの原因となることが多く、"百害あって一利なし"と言われます。最近では、喫煙が健康に及ぼす影響を考え、街の中でも分煙や禁煙が進み、たばこ税も増税され、肩身の狭い思いをしている喫煙者の方も多いでしょう。

イライラしている時や緊張している時にタバコを吸うと心が鎮まったり、仕事をした後にタバコを吸うとリラックスできたりすると言われています。

寝つきを良くするためには、リラックスをして副交感神経を優位にすることが大切ですし、ストレスが溜まると睡眠障害の原因となることもありますから、一見するとタバコを吸ってリラックスすることはいいことのようにも思えます。

喫煙によるリラックス効果はありますが、そのリラックスは眠る前のリラックスには適さないものなのです。また、眠る前の喫煙はリラックスどころか、睡眠妨害に繋がることもあります。

タバコにはニコチンが含まれていることをご存知の方は多いでしょう。喫煙をしていると、ニコチンに慣れ始め、体がニコチンを欲するようになるので、喫煙者となっていき、ひどい場合には一日に何箱も吸うようなヘビースモーカーになってしまいます。

ニコチンは、簡単に言ってしまえば、刺激物です。タバコを吸ってからニコチンが脳に届くまでには約10秒と、効果が早く現れます。ニコチンは、アドレナリンを分泌して脳を覚醒させる効果があります。

ニコチンによる刺激は大変強く、コーヒーなどに含まれているカフェインよりも興奮する効果が高いとされています。喫煙者の方は、寝る前に一服するのを日課にしていたり、なかなか寝付けなかったり、夜中に目が覚めてしまった時にタバコを吸ってしまうようなことも多いです。

先程も少し述べましたが、眠る前にはリラックスしている時に働く副交感神経を優位にすると寝つきやすくなります。逆に言えば、脳が興奮状態や覚醒状態にあり、交感神経の働きが優位になっていると、なかなか寝付けなくなってしまいます。

脳を覚醒させる効果のある刺激物であるニコチンを眠る前に摂ることは、一時的なリラックス効果は得られたとしても、寝つきを悪くしてしまいますし、質のいい睡眠を妨害してしまいます。

常習的に喫煙をしていると、体はニコチンを欲するようになります。体がニコチンを欲するのは起きている時だけではなく、自覚がなくても眠っている最中にも体がニコチンを欲することもあるのです。

ニコチン切れの状態になると、夜中に目が覚めてしまうこともあります。目が覚めてしまったからといって、そこでまたタバコを吸えば、脳は覚醒され、眠れたとしても浅い眠りになってしまうので熟睡できません。

眠る前の喫煙は、眠りを妨害する因子となる以外にも、危険があります。それは、火事の危険性です。ニュースを見ていると、たまにタバコの不始末による火事のニュースが流れています。

タバコを吸う時には、ライターやマッチで火をつけます。タバコの燃えている部分は非常に高温です。眠る前に、くつろぎながらタバコを吸っていて、もしもうつらうつらして誤ってタバコをラグの上や体の上に落としてしまったらどうなるでしょうか。

落としてしまったタバコの熱により、火事や火傷になるかもしれません。また、眠る前にボーっとしながらタバコの火を消しても、しっかりと火が消えておらず、眠っている間に火事になるかもしれません。

火事や火傷の危険性、脳を覚醒させてしまうことから、眠る前のリラックスとしての喫煙は避けるべきでしょう。安全に熟睡をするために、一番いい方法は禁煙です。

禁煙することは難しいと思いますが、一気にやめるのが無理でも、一日に吸う本数を減らしていくだけでも、体が欲するニコチンの量も減っていきますから、ニコチン切れによる途中覚醒で熟睡を妨げられることも減ります。

どうしてもやめられないようであれば、眠る1時間前と夜中に目が覚めた時にはタバコを吸わないようにしましょう。

飲酒が睡眠に影響を及ぼす影響

タバコが"百害あって一利なし"と言われるのに対して、お酒は"酒は百薬の長"と言われることがあります。適度なアルコールならば、ストレスの解消にもなりますし、お酒を誰かと一緒に飲むことでコミュニケーションに役立てることもできます。

アルコールを摂取すると、そうなるまでに至る分量は人によって異なりますが、眠気を感じるようになります。アルコールには、鎮静効果や睡眠促進効果があるので、眠れない時にアルコールを飲む方も多いようです。

なかなか寝付けないことで悩んでいる時に、病院を受診してもらった睡眠導入剤を用いる方よりも寝酒をする方が多いのです。確かに、アルコールを摂取すると眠くなるので睡眠導入として用いることもできるのですが、アルコールを用いる時には注意しなければいけない点もいくつかあります。

まず、慣れの問題です。寝つきを良くするためにアルコールの摂取を続けていると、効果を得るために必要な分量がどんどん増えてしまう傾向にあります。アルコールに慣れてしまうと、次第にそれまで以上に多く摂取しなければ眠れなくなることが多いのです。

それは、習慣的にアルコールを摂取することによって、体にアルコールに対する耐性が出来てしまうからです。耐性が出来て、眠る前に摂取するアルコールの分量が増えていくと、アルコールを摂取しないと眠れないような"プチアル中"になってしまうこともあります。

次に、睡眠の質の問題です。アルコールには睡眠導入に役立つような効果もありますので、アルコールを摂取してから眠ると、脳の覚醒も抑えられ、熟睡できたように感じます。しかし、実際には、熟睡できていません。

アルコールを摂取すると、体内で分解される時にはエネルギーを必要とするので、体は休息で来ていないのです。また、アルコールによる利尿作用やのどの渇きによって目が覚めることもありますし、お酒を飲みすぎるといびきをかきやすくなります。そうすると、浅い睡眠になってしまうのです。

もしも、寝つきを良くするためにお酒に頼っているのであれば、病院でも不眠外来を設けているところも増えていますので、お酒に頼るのではなく、不眠外来などを受診して睡眠を改善するようにしましょう。

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